勝者には何もやるな
勝者には何もやるな」”Winner Take Nothing”, 1933年
アーネストヘミングウェイの有名な言葉です。
「他のあらゆる争いや戦いと違って、前提条件となるのは、勝者に何ものをも与えぬこと――その者にくつろぎもよろこびも、また栄光の思いをも与えず、さらに、断然たる勝利を収めた場合も、勝者の内面にいかなる報償をも存在せしめないこと――である。」
(三笠書房刊『ヘミングウェイ全集 -第1巻-』谷口睦男訳)
この痛烈な言葉の真意は、現在のようなジャーナリズムが産声を上げた時代、勝利の為に命を奪い合う戦争の報道を通じて、彼の仕事でもあった記者としての経験から、単純に勝利がモチベーションになることで生まれる不順さ、怖さ、浅はかさが、今後社会を覆うことを予見した警笛なのだろうと思います。
それが現在では、
有名なヘミングウェイの言葉「勝者には何もやるな」。
この言葉は、
勝利するまでの過程こそが何にも変え難いほど素晴らしいこと
という意味だと理解しています。(「渋谷で働く社長のアメブロ」より)
というような、ある一面を切り取っただけの、内容の薄い論調が増えてきています。
受験も、就職も、恋愛も、仕事も、果てには出生に至るまで、様々なものに勝ち負けが存在すると考えることは健全でしょうか?
もしそうなのだとしたら、勝者以外は何の価値もありません。
誰もがいつか勝者にならなければいけない社会。
何処かの、誰かの勝者になる為に、ただ戦うだけの人生。
なんだかとても虚しく思えます。
当初、オリンピックが、なぜ世界の平和の祭典でなければいけないと考えたのか?
なぜ、ヘミングウェイは勝者に報酬を与えるべきじゃないと思ったのか?
勝負事の中で、最も神格化された競技スポーツによって生み出され続ける価値観は、現時点ではヘミングウェイの思いを完全に裏切ってしまっているようです。
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