でっかく行こうぜ☆世界がぐぐぐんと広がる、ボーダーレスな小説・マンガまとめ by編集部

でっかく行こうぜ☆世界がぐぐぐんと広がる、ボーダーレスな小説・マンガまとめ by編集部

ここは編集部。

本好き・エンタメ好きな編集部員たちが次の出版に向けて、ケンケンガクガクと制作会議……のはずが、ついつい脱線して本にまつわるあんな事・こんな事をゆるゆると語り合っています。
今日はどんな話が飛び出すやら。会議室におじゃましてみましょう。

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カズオ・イシグロがノーベル文学賞とったらしいですね。

 

 

 

そうよ。携帯の通知で地震かと思って見たら、日経の速報だったから、のけぞったわよ。
いつの間に登録しちゃったのかしら。

 

カズオ・イシグロは「わたしを離さないで」しか読んだことがないですけど、
深いのに読みやすいですよね。

 

 

 

 

それより前の「日の名残り」もいいわよ。何て言うか良い意味での軽さが特徴よね、この人。
読者一人ひとり全く違う受け取り方ができるのよ。

 

押しつけがましくないっていう事ですか?

 

 

 

 

「これが正しい」って決めつけが薄いのよ。
育った環境も関係してるのかしら。日本で生まれて5歳からはイギリスだって言うじゃない。

 

良いポイントかもしれませんね。インタビューで本人も
「イギリスの作家や日本の作家でもない国際的な作家と考えたい」って言っていましたし。

 

 

 

 

そう言えば、テニスの錦織選手も中1くらいからずっとアメリカらしいし、
最近、国の枠を越えて活躍する人が増えてますよね。

 

ハーフのタレントさんが多くなったとか?!
ほら、ローラとか藤田ニコルとかダレノガレ明美とか。

 

 

 

 

(ん…?なんかずれたぞ…)

 

 

 

(いや…視聴者の深層心理まで考えると案外当たってるのか…???)

もっとわかりやすい例なら、本職が何だか分からないリリー・フランキーさんとか、
ピエール瀧さんなんてどうでしょう。
ゴールデンボンバーなんて
更にジャンルでは括れないですし、レディ・ガガだってそうです。

 

 

 

なるほど、作られたジャンルやカテゴリを越えたところに、
今までなかった魅力が生まれるわけですね!

それを言うなら、やっぱり坂本龍馬よ。
あの時代にして、自分の属している藩や時代の限界を超えて、
新たな仕組みを作ろうとしたからこそ、いまだに人気があるのよ。

 

 

 

 

編集長が担当した嶺里ボーの『龍馬はん』は、
龍馬の捉えどころのない大きさをうまく表してましたよね。

 

坂本龍馬が鮒鮨を好きな理由が良かったな。
あの臭さは確かに何かを飛び越えないと無理だよね。
今まで避けてたけどもう1回トライしたくなったもん。

 

 

 

何に対しても壁を作らない、いわゆる”ボーダーレス”な龍馬だから
鮒鮨の魅力に気付いたってことよね。さすがよ。

まあ、キャパ狭い男も、それはそれで可愛いけどね。

 

境界がないからボーダーレス。最近はトランスボーダーって言い方も出てきていますけど、良い言葉ですね。
日本の作家でボーダーレスと言えば、この人を忘れてはいけませんよ。

 

[宮沢 賢治]の銀河鉄道の夜

●あらすじ
家計を助けるためにバイトを掛け持ちせざるを得ない貧しい家庭に生まれた少年・ジョバンニ。学校生活に身が入らず孤独な日々を送っているが、ある日、親友カムパネルラと一緒に「銀河鉄道」に乗って、広大な宇宙を旅することに。無限の宇宙空間で多くの人々と出会い、成長していくジョバンニだが、旅の終わりにカムパネルラは意味深な言葉を残して姿を消してしまい…

 

 

へえ〜宮沢賢治。『雨ニモマケズ』のイメージが強すぎて根性論なイメージだけど…。

 

 

 

 

いえいえ、宮沢賢治は根性論からは最も遠い作家と言っても過言ではないくらいですよ。
童話作家と思っていたのでは、もったいなさ過ぎる。

そうよ。日本が日清戦争・日露戦争でイケイケムードだった時代に宇宙の事とか語っちゃうのよ。
…危ないわ。宮沢賢治の話を始めると今日は帰れなくなるわ。

 

 

 

わ、それは勘弁してください。今度、時間作ってやりましょう。
そのボーダーレスなら、僕のおすすめは松本大洋ですね。
とてつもない才能ですよ。

 

[松本大洋]の鉄コン筋クリート(1) (ビッグコミックス)

●あらすじ
純粋な力を信じるクロと、純粋な心を信じるシロ。2人の悪童がヤクザが幅をきかせる、義理と人情の町・宝町を舞台に繰り広げるアクション。危ないから気をつけてくださいね!!

 

あら、珍しい。言うじゃない。

 

 

 

 

ホントか嘘か、夢か現実か、良いのか悪いのか、全部の決めつけがひっくり返されるんですよ、これ。
マンガってジャンルでくくっていいのかすら分からないほど自由で。

 

絵もカワイイね。3巻で完結なら買いやすいし。ね、編集長♡

 

 

 

 

あんた、人に金出させる時だけ♡付けるんじゃないわよ。3冊で2000円弱か。
そんなもんで、ボーダーレスを体感できるんなら最高よね

私は、ボーダーレスという言葉でこれを連想しました。

 

[ヴィクトール・E・フランクル]の夜と霧 新版

●あらすじ
ユダヤ人精神分析学者がみずからのナチス強制収容所体験をつづる。
〈わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ〉

 

ユダヤ人というだけで迫害されれば、相手を人種で憎んでしまいそうな所ですが、
主人公はそんな憎しみも恐怖も執着も、あらゆるボーダーを乗り越えようとします。

身体も心もボロボロになって家族や友人と引き裂かれた状況で、です。

 

 

 

想像するだけで息が詰まりますね。

なのにどこか明るいのよ、この本。ひょうひょうとしてて。
収容されてたユダヤ人たちが、沈む夕陽を見て感動するシーンは、単なる感傷なんて吹っ飛ばす力強さよ。
骨太な知性はボーダーを乗り越えるって事よね。

 

 

 

ものすごく読んでみたくなりました。
ボーダーを越えるって途方もなく大変ですよね、やはり…..。

 

だから『書を捨てよ、町へ出よう』なわけですよね。

 

 

[寺山 修司]の書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)

●あらすじ
あなたの人生は退屈ですか? どこか遠くに行きたいと思いますか? あなたに必要なのは見栄えのよい仕事でも、自慢できる彼や彼女でも、おしゃれな服でもない。必要なのは想像力! 家出の方法、ハイティーン詩集、競馬、ヤクザになる方法、自殺学入門……。時代とともに駆け抜けた、天才アジテーターによる100%クールな挑発の書。

 

 

 

 

これはもうタイトルからして群を抜いてるわよ。
文字通り取っても、深掘りしても、自分に落とし込んでも意味があるっていう。
寺山修司、会いたかったわぁ。

 

 

確かに。このタイトルだけでわくわくできる。

 

 

 

 

あ、そう言えば、最近読んだこれは、書を捨てて町を越えて
世界に出ちゃった実践編で面白かったです。

 

 

[山本雅也]のキッチハイク! 突撃! 世界の晩ごはん (集英社学芸単行本)

●あらすじ
世界の家庭のキッチンをヒッチハイク=キッチハイクした男の食卓探訪交遊録! 「あなたのおうちでごはんを食べさせてくれませんか?」450日かけて世界を一周、見知らぬお宅を訪ねてごはんを食べ、国籍や宗教の違う人たちと食卓を囲む。世界の家庭のキッチンをヒッチハイク=キッチハイクした男がつづる、食卓探訪交遊録。

 

あら。ヨネスケの「突撃! 隣の晩ご飯」を世界でやっちゃったって訳ね。面白そうじゃない。

 

 

 

 

そうなんですよ〜写真見てるだけで旅気分ですよ。
世界中に友だちがいるって最高じゃないですか?!

 

これは良い。グアテマラにチリ、スリランカにブルネイ、ラトビア、フランス……。
普段の晩ご飯の食卓におじゃまできるなんて贅沢ですね。
人間、一緒にご飯を食べるだけで仲良くなれたりしますからね。

 

 

 

 

あたし達、ボーダーを勝手に作って苦しんでるのよね。
龍馬の人懐っこさはそのアホらしさを知ってたからかもしれないわね。

さ、みんなでご飯行くわよ!

 

わ!おごりですか!編集長さすが太っ腹♡

 

 

 

何言ってんのよ。あんた、あたしにいくら出させる気よ。
あんたに♡付けられても嬉しくも何ともないわ。良い男でも連れてらっしゃい。

ええ〜編集長、見る目厳しそうだからな~。
坂本龍馬並のはそうそういませんよぉ 。いたら私が目つけてるしぃ。

 

 

 

 

……坂本龍馬と比べられたらたまりませんね、ひいらさん。
(てか、この人もボーダーレスだったな。第一、何でうちの会社でもないのに、編集会議に出てるんだよ…)

 

にこにこ。

もう一度『龍馬はん』を読んで勉強しましょうか。


図抜けた想像力&想像力で現代のクリエイターからビジネスマンにまで目標にされる男・坂本龍馬の生き様が詰まった『龍馬はん』Kindle発売中!
地位も場所も時代も超越した、坂本龍馬流「ボーダーレス」を体感してみてね☆詳しくはこちら。

 

嶺里ボーのKindle小説「龍馬はん」

嶺里 ボー『 龍馬はん』 

 

慶応3年11月15日(1867年12月10日)、近江屋で坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された当日、真っ先に斬り殺された元力士・藤吉。

その藤吉の眼を通して映し出された、天衣無縫で威風堂々とした坂本龍馬を中心に、新撰組副隊長・土方歳三の苦悩と抵抗、「龍馬を斬った男」と言われる佐々木只三郎、今井治郎の武士としての気概など、幕末の志士達の巡り合わせが織り成す、生命力溢れる物語は、現実……。→ 続きを読む

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