どこでも行けるよ? 旅したいと思った瞬間から始まる、旅小説と旅エッセイまとめ by編集部

どこでも行けるよ? 旅したいと思った瞬間から始まる、旅小説と旅エッセイまとめ by編集部

ここは編集部。

本好き・エンタメ好きな編集部員たちが次の出版に向けて
ケンケンガクガクと制作会議……のはずが、ついつい脱線して本にまつわるあんな事・こんな事をゆるゆると語り合っています。
今日はどんな話が飛び出すやら。会議室におじゃましてみましょう

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もう年末か。今年は長かったわ。

 

 

 

言われてみれば、そうかも。色んなことがいっぱいあって、、、

事務所移転も今年だなんて信じられないっすね。

 

 

 

そうよ。
美空ひばりを知らない若者が入社するわ

(ドキ…)

 

 

 

交番で道を聞いて、原稿を置いてくるあんぽんたんもいたし

(ギク…)

 

 

 

ハグミの独占スクープも今年か。

あれは、すごかったですね。

 

 

 

ハグミさんどこにいるんだろー。会いたいな〜

今年が長かろうが短かろうがアイツが帰って来ないのは、一緒ね。

 

 

 

ハグミさんは旅がご飯みたいなものですからね。
ニコニコ。

よおし、今日のテーマは旅にするか。

 

 

 

旅!良いですね。ちょうど年末年始の旅行計画立ててました。

家族で?良いなあ。私もどこか行きたいな。
今、イタリア行きたいんだよねー。

 

 

 

年末年始にイタリアって、旅費ヤバいんじゃないっすか?

ちょっと検索してみますね。
…ほら、格安でも20万近くしますよ。

 

 

 

うそ!そんなにするんだ。。。無理か。ああ…あたしのパスタ・コン・サルデ…。

 

 

 

はは~ん、あんた、村上春樹に影響されたわね。

わ!なんで分かったんですか!?

 

 

 

「遠い太鼓」でしょ。
村上春樹の食べ物の描写はホント美味しそうよね。

イワシとフェンネルのパスタだっけ。
私も食べたくなって来たわ。

[村上春樹]の遠い太鼓 ●あらすじ

ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきた。その音を聞いているうちに、僕はどうしても長い旅に出たくなったのだ――。40歳になろうとしていた著者は、ある思いに駆られて日本を後にし、ギリシャ・イタリアへ長い旅に出る。『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』を書き上げ、作家としての転換期となった、三年間の異国生活のスケッチブック。

 

そうなんですよ〜。
クレタ島のバスの中でお客さんに自家製ワインとチーズをもらって、運転手さんまで一緒になってみんなで飲んじゃった話とか。

確か、村上春樹さんがまだ30代後半の頃に書いたエッセイですよね。

 

 

 

そうだったわね。「ノルウェイの森」を書いたあたりだから1986年あたりか。

ちょうどその頃の旅行エッセイと言えば、やっぱり沢木耕太郎さんの「深夜特急」が浮かんで来ますね。

[沢木 耕太郎]の深夜特急(1~6) 合本版

●あらすじ

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは「大小(タイスウ)」というサイコロ賭博に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪が、いま始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ! ※当電子版は『深夜特急』(1)~(6)の全六巻をまとめた合本版です。

 

 

 

 

 

ああ、バックパッカーの。学生の頃に先輩に言われて読みましたよ。

で?あんたは影響されて貧乏旅行とかしたわけ?

 

 

 

…いや、実はぴんと来なくて、1巻しか読まなかったんです。
マカオのサイコロ賭博の話とか面白かったですけど…。
でも、薦めてくれた先輩はインドとか香港とか行ってましたね。

やっぱりねえ。意外とテンションが下がってきた4巻辺りがバックパッカーっぽくて面白いんだけどね。
でも、出た当時はこれ読んでバックパッカーになった人、多かったんじゃないかしら。

 

 

 

パッカーのバイブルなんて言われてましたね。
沢木耕太郎さんのファンなのか、一文字変えた「珍夜特急」というシリーズがKindleから出ていますね。

[クロサワ コウタロウ]の珍夜特急1―インド・パキスタン―●あらすじ

インドのカルカッタからポルトガルのロカ岬まで、ユーラシア大陸を単独バイクで横断する――。19歳の”私”は、大学の学費を費やして行ったタイ旅行でどこからともなくそんな啓示を受ける。
すぐに卒業を諦め、3年間に及ぶ準備期間を経ていよいよインドに入国した”私”は、いきなり送ったバイクを受け取れないというハプニングに見舞われる。
こんな調子で、それまで日本ですらまともなツーリングもしたことのなかった”私”が、ポルトガルまで無事に走り続けることができるのだろうか――。期間約1年、5万キロにわたるトラブルまみれの旅が、いま始まる!

 

 

 

あ、これ読んだ。
個人作家らしいんだけど、スピード感があって面白いわよ。

へえ〜バイクで横断。バイク持ってる同年代がほぼいないから新鮮だなあ。

 

 

 

そうよね。これもちょっと時代感じるわ。
自動運転の時代になったら、バイクで貧乏旅行とかもう壊滅的よ。
今のうちにバイク旅行もしといた方が良いかしら。

え…編集長が!?バイク潰れちゃいますよ。

 

 

 

 

 

 

 

何だと、こら!

それはバイクはあたしの体重に耐えられないってことだな。
オマエはいまあたしだけじゃなく全てのバイクメーカーも敵に回したぞ。

冗談ですよぉ。

あ、編集長!ハッサクが「バイク 体重制限」でググってます!

 

 

 

わ、何で言うんですか、きのさん!オレはただ純粋に興味が…

ニコニコ。

 

 

 

話が全然進まないじゃない 。何か旅の小説はない?

はい!私これイチ押しです!

[上橋菜穂子]の守り人シリーズ電子版 1.精霊の守り人

●あらすじ

舞台となるのは、異界と人の世界が交錯する世界 ── 。

腕ききの女用心棒・バルサはある日、川におちた新ヨゴ皇国の第二皇子・チャグムを助ける。チャグムは、その身に得体の知れない”おそろしいモノ”を宿したため、「威信に傷がつく」ことをおそれる父、帝によって暗殺されそうになっていたのだ。
チャグムの母・二ノ妃から、チャグムを守るよう依頼を受けたバルサは、幼ななじみの薬草師・タンダの元へ身を寄せる。そして、バルサとチャグムは、タンダとその師である呪術師のトロガイから驚くべきことを告げられるのだった ── チャグムに宿ったのは、異界の水の精霊の「卵」であること、孵化まで守らないと大干ばつがおこること、そして、異界の魔物がその「卵」をねらってやってくること ── 。

帝のはなつ追っ手、さらに人の世の力をこえた危険から、バルサはチャグムを守り抜けるのか? バルサとチャグムの出会いから始まる、「守り人」シリーズの第1作。

 

 

 

あら、話題の。オマエはホント流行物に弱いな。
けど、このシリーズは私も大好きよ。

主人公のバルサと皇子チャグムのコンビが追手から逃げ続けてるんだけど、
その旅の途中で二人がちょっとずつ仲良くなって成長して…一つ一つのシーンがもう、たまんないんです。

 

 

 

読んでいると画像が浮かんでくる、何というかパワフルな本ですね。児童文学にとどめてはもったいない!
ドラマ化もされていますが、これはまず活字で読むと楽しいですよ。
1巻だけで旅は完結するので、気軽に読めるのも良いですね。

へえ~長そうで敬遠してたけど、1巻だけでもいいんですね!
読んでみよう。

 

 

 

それから、旅の小説なら、「ボートの三人男」が外せませんよ。実に面白い。

 

[ジェローム・K・ジェローム]のボートの三人男

●あらすじ

気鬱にとりつかれた三人の紳士が犬をお供に、テムズ河をボートで漕ぎだした。歴史を秘めた町や村、城や森をたどり、愉快で滑稽、皮肉で珍妙な河の旅が続く。数々のオマージュ作品を生み、いまだ世界で愛読されている英国ユーモア小説の古典。

 

 

ああ、これがあったか。げらげらじゃなくてニヤニヤな感じが旅っぽくていいわよね。

 

 

 

テムズ河の風景とか、英国ならではのギャグだとか、文化が垣間見えるのも楽しいんです。
丸谷才一の訳も絶妙です。

おじさん3人が手こぎボートで旅ってカワイイですねー。意外と読みやすそうだし。

 

 

 

もう1つ、小説に分類していいのかわかりませんが、サン=テグジュペリの「人間の土地」はどうですか。

人間の土地 (新潮文庫) サン=テグジュペリ

●あらすじ

“我慢しろ……ぼくらが駆けつけてやる! ……ぼくらのほうから駆けつけてやる! ぼくらこそは救援隊だ! “サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打克って、三日後奇蹟的な生還を遂げたサン=テグジュペリの勇気の源泉とは……。職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球のあいだに探し、現代人に生活と行動の指針を与える世紀の名著。

 

あれ?星の王子さまの人ですよね?

 

 

 

はい。
彼はパイロットでしてね。
砂漠で遭難して原住民と接した体験を始め、
飛行機から初めて見た地球の風景にも、
パイロット仲間との想い出にも、
すべて、どこかに死の影が感じられるんです。

だからと言って、まったく暗くない。
砂漠に水が染み込むように心に沁み込む言葉が詰まっています。

これは、手元に置いて繰り返し楽しめますよ。

ひいらさんがこんなに語るの初めて見た!

 

 

 

読みたいです。オレ、この後買います。

私もまた読みたくなったわ。この本は、読む度に心に刺さるポイントが変わるのよね。
読んでるだけで旅してるみたいな気分になれる本だわ。

 

 

 

全くです。そして、実際に自分も足とお金と時間を使って、どこかに旅したくなります。
動くって素晴らしいですね。

ひいらさん、目がキラキラしててカワイイー私も一人旅、絶対行く!

 

 

 

…あんたのポイントずれすぎでしょ。

でも、ホントそうよ、昔の人は自分の足でアホみたいに歩き回って、新しいものに会ったんだもんね。

坂本龍馬だって、そうよ。
「龍馬はん」でも、どんだけ歩いたことか。

自分の足とお金と時間か…。できれば全部節約しようとしちゃいますからね…。

 

 

 

まあ、一番耳が痛いのはあたしね。すぐタクシー乗っちゃうもん。
よし、決めた。今日から500mまではがんばって歩くか!

 

(…)

ニコニコ。


越前までの40里(150km強)の雪ふりすさぶ悪道を、1日10里のペースで飛ぶように駆け抜けた龍馬一行。
その視線の先にはただ会いたい人とやりたいことだけがあった。
彼らの旅を支えた、熱い想いと味わい深い旅路をご堪能ください。

 

嶺里ボーのKindle小説「龍馬はん」

嶺里 ボー『 龍馬はん』 

 

 

慶応3年11月15日(1867年12月10日)、近江屋で坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された当日、真っ先に斬り殺された元力士・藤吉。

その藤吉の眼を通して映し出された、天衣無縫で威風堂々とした坂本龍馬を中心に、新撰組副隊長・土方歳三の苦悩と抵抗、「龍馬を斬った男」と言われる佐々木只三郎、今井治郎の武士としての気概など、幕末の志士達の巡り合わせが織り成す、生命力溢れる物語は、現実……。→ 続きを読む

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