辛抱たまらん♡猫好きの猫好きによる猫好きのための猫小説まとめ by編集部

辛抱たまらん♡猫好きの猫好きによる猫好きのための猫小説まとめ by編集部

ここは編集部。

本好き・エンタメ好きな編集部員たちが次の出版に向けて、ケンケンガクガクと制作会議……のはずが、ついつい脱線して本にまつわるあんな事・こんな事をゆるゆると語り合っています。
今日はどんな話が飛び出すやら。会議室におじゃましてみましょう。

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ああ、猫飼いたいわぁ…。

 

 

 

 

え!?!?編集長が猫を?

 

 

 

どうしたんですか!?

 

何よ、あたしが猫欲しがったらおかしいわけ?
嶺里ボーの「アンリアメリ」を読んでたら、どうにもこうにも猫猫病よ。

 

 

 

 

良いですよねー。
猫と暮らすってこんな感じ、っていう瞬間が詰まってて、きゅんきゅんします。

 

いやあ、猫猫病って言えば、うちの母がそうでした。
昔初めて行った海外旅行の写真を見せてて、300枚以上あった写真の中で、きれいな海も星空も市場もアートも押しやって、母が釘付けになってたのが野良猫の写真……。
俺としてはがっくりっすよ
 

 

 

 

あはは。気持ち分かるなあ。
目がもう猫に吸い寄せられちゃうんだよねー。

そうそう。その影響で猫の出て来る小説にも、どうしても目が行っちゃってさ。

んで、河合隼雄大先生もこんなの書いてるのを見つけちゃうのよ。

 

河合 隼雄「猫だましい 」kindle版

こころの専門家・河合隼雄先生は、実は大のネコ好きです。今までに読んだ古今東西のたくさんの猫物語の中から、特にお気に入りのにゃんこ達を選んで、お話しいただきました。長靴をはいた猫、空飛び猫、鍋島の化け猫、100万回生きたねこ……ネコのことが分ると、ヒトの心も分る、かもしれません

 

読みごたえありそうですね。
わー、佐野洋子の「100万回生きたねこ」にポール・ギャリコ!読みたかった小説ばっかり載ってる!
 
 
 
 
 
 
この人、ほんとに猫好きっぽいのよね。

いちいち猫の習性とか仕草を真剣に観察して見事な頭脳で分析しちゃってるから、
なるほどって思いながらも、何かおかしくって。

読みやすい割に妙に考えさせられるわよ。

 
編集長に教わった群ようこも猫猫病ですよね。
これ、エッセイ普段読まないのに、めっちゃ面白かったです。
 

 

トラちゃん (集英社文庫) Kindle版 群ようこ

“生きものは、いったい何を考えているのかなあ、と思うことがよくある。ことばは喋れないにしろ、少なくとも私たちが飼っていた生きものは、非常に感情豊かで、ペットなんていう生やさしいものではなくネコやネズミやインコの格好をした、人間であった。”

 

群ようこは、猫もだけど、犬もインコもモルモットも金魚も、とにかく動物が好きみたいね。
家族の中に動物が溶け込んでる感じがちょっと昭和でたまんないのよね。
ああ、猫……

 
 
 
 
 
 
猫好きな作家って多いですよね。
エッセイつながりで、東海林さだおも面白かったっすよ。

 
 

猫大好き (文春文庫)  東海林さだお Kindle版

小学生時代からずっと猫や犬と暮らしてきたショージ君が考える、わがままだけど羨ましい猫の生き方研究「猫大好き」。長嶋・松井の国民栄誉賞イン東京ドームでの感動、そして自分が偉いのかはたまた内臓がえらいのかをまじめに考える大作エッセイ「内臓とわたし」などなど、ショージ節が冴えわたる痛快エッセイ集。

 

 
 
 
 
 
あら、これは読んだことないわ。
え!?南伸坊と対談してるの!?
しかも壇蜜があとがき書いて…贅沢ねえ。
 
 
 
 
 
 
 もともとは、「オール讀物」って雑誌の連載エッセイらしく、
猫だけじゃなくて、ラーメンとかホームセンターとか。
対談もあって、癌については結構な熱量で語ってますね。
 
 
そういや、 ジャズの山下洋輔も猫好きで有名よね。
自分んとこの猫をほめまくってた、いわゆる親ばかブログが本になっちゃったのがこれよ。
この本のおかげで立川水天宮 阿豆佐味天神社は迷い猫が返ってくる「猫返し神社」として知られるようになったらしいけど。
 

猫返し神社 (徳間文庫)  山下洋輔  kindle版

あるときは絶世の美女に見え、思わず愛撫すれば逃げ、逃げてはまた流し目で艶然と誘いをかける。とかくままならぬ猫たち! 行方不明の放浪猫を探しあぐね、近くの神社にお参りしたら、翌日戻ってきた! それが評判となり、ついに「猫返し神社」として猫好きのあいだに名を馳せたのが、立川の阿豆佐味天(あずさみてん)神社。そのいきさつをはじめ、ジャズ界の巨匠が翻弄される面白すぎる猫エピソードを写真満載でお届けします。

 

わ。表紙がカワイイ。

 

 
 
 
 
 
がピアノの上を歩いたのを譜面に起こして「感性が鋭い」とか言っちゃって、さ。
ジャズの大御所も、もはやアホよ。
 
編集長、恐ろしくうらやましそうですけど…
 
あ、でも、編集長の好きな宮沢賢治は猫嫌いで有名じゃなかったでしたっけ?
 
 
 
 
 
 
それ、嘘だって記事、ネットで見たよー。
実は「猫が嫌い」っていうのはツンデレ発言で、猫が大好きだったんじゃないかって。

んで、この本紹介してたけど、めっちゃ泣けるの。主人公のかま猫の感情描写がリアルで。

 
 
 

猫の事務所  宮沢 賢治  kindle版

 

猫の歴史と地理を調べる機関「猫の事務所」に定員4名という狭き門を潜り抜けて第4書記として採用された主人公・竃猫(かまねこ)。寒さに弱くて夜は竃(かまど)の中に入って眠るので、いつも煤(すす)で黒くなり、そのために他の猫に嫌われています。

同僚の書記らの嫌がらせにも耐えて仕事を続けていましたが、やがて、大事件が……。

 

ツンデレっていうか、猫はあくまで何かの概念の例えだっていう話でしょ。

けど、これは掛け値なしに良い作品よね。
変に教育的に取ったりとかせずに、ただ味わって欲しいわ。
染みるから。

終わり方が面白いですよね、え!そう来るか⁉︎って感じ。

 

エラくシュールよね。最初はもっとストレートな作品だったみたいよ。
初期系をここのサイトであげてくれてるんだけど、これもまた良いの。
http://why.kenji.ne.jp/kohon/803nekonojimusho.html 
 
 
 
猫と言えば、ミステリーも多いですよね。まずはこれか。
 
 
 
 

黒猫  エドガー・アラン ポー  kindle版

19世紀アメリカの小説家・詩人であるエドガー・アラン・ポーの短編小説(佐々木直次郎による訳)。主人公は妻と幸せに暮らし、飼い猫のプルートォを可愛がっていたが、酒におぼれるようになるうちに、次第にノイローゼになり、猫を殺したあげく、ついには妻まで殺してしまう。過度の飲酒がもたらす精神の荒廃を、黒猫に象徴させて描く。

 

エドガー・アラン・ポー!これ怖いよね。
読んでしばらくコンクリートが怖くて近づきたくなくなる。
 
 
 
 
 
 
ですよね…これのせいで昔は黒い猫ってだけで怖かったなあ…

同じ海外ものだと、これが最強じゃないですか?!
タイムトラベルものだからSFに入るのかな。
古典とは思えないほど読みやすくて新しい感じですよね。

 
 

夏への扉  ロバート A ハインライン  kindle版

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から2番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ! そんな時、〈冷凍睡眠保険〉のネオンサインにひきよせられて……永遠の名作。

 

そうそう、これも猫がかわいいのよ。
猫じゃなきゃ出せない良い味出しててさ。
 
編集長…猫がかわいいしか言ってないっすよ。
いつもの切れ味はどこへ…。
 
 
あとはこれかなー。
途中で止められなくて一気に読んじゃう感じ。
江國香織の文って中毒性あるんだよね。
 

あたしの一生 猫のダルシーの物語  ディー・レディー  kindle版

「あたし」と「あたしの人間」の、出会いから「あたし」の死までの17年にわたる濃密な時間を、あくまで猫の視点で――けっして擬人化することなく――描いた稀有な物語。原著の素晴らしいイラストレーションも完全収録。江國香織のしなやかな日本語で送る猫本。

 

これは反則技よね。猫好きにはたまんないわよ。

 
 
反則技と言えば、これも辛抱たまらん可愛さでしたよ。
猫視点で書かれてるところも一緒か。
 

 

通い猫アルフィーの奇跡 (ねこ好き絶賛たちまち9刷! ハーパーBOOKS)  レイチェル ウェルズ  kindle版

 

飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちになった猫アルフィー。
帰る場所もなく空腹でさまよい続けたすえ、とある住宅地にたどり着いたアルフィーは、
そこで“通い猫”として生きようと決める。だが訪ねた先の住民は揃いも揃って問題だらけ。
世をすねた無職の男に育児疲れの主婦、デートDV被害者――そんな彼らに、いつしか1匹の小さな猫が奇跡を起こす!?全英絶賛、ハートフル猫物語。

 

レビューが半端ない好評ばっかだな。
読んでみようか…や、ダメだ。こんなの読んでたら私だめになっちゃうわ。 

ええ~大丈夫ですよー。
編集長、お昼休みに猫カフェ行きましょう!近くにできたみたいですよ。

猫カフェ!……いや、やめ、やめ。

 

 

 

 

何でそんなに飼いたいのに飼わないんすか?

 

そりゃあ、あんた。
猫なんて飼い始めたらさ、まず家が楽しくなるでしょ。

 

 

 

 

そうですね。

 

で、会社でも外で遊んでても早く帰りたくなるわけよ。

 

 

 

確かに。

で、だんだん人の誘いも断るようになってさ、猫アレルギーの人は家に呼べなくなるでしょ。
買い物も通販ばっかになって、ついには仕事も家でする体制整えちゃったりして、

 

 

 

 

それはまた、かなりの熱量と行動力ですよ。


んで、今までおすすめ小説を投稿してた編集部インスタは、猫の写真で埋め尽くされて、小説をリクエストしてきた読者は無視。

 

 

 

 

だ、だめですよ、編集長、公私混同反対~
しかも話が飛びすぎですって。

 

ってのはまあ、半分冗談だけど、半分本気なわけ。
猫って他にはない魔力があるじゃない?
私なんて、はまりやすい所があるから危険なのよ。
 
 
 

 

 
うん、何か真剣に止めといた方が良いような気がしてきました。
編集長、猫小説にしておきましょう。
 

 

 

■ アンリアメリ

嶺里ボーのKindle小説「アンリアメリ―二匹の猫」

 嶺里 ボー『 アンリアメリ〜二匹の猫』 

 

 

“アンリはオトコのコ。いつも右の目を薄目開けて寝てんの。
アメリはオンナのコ。誰か立ってると、その前に来て、とっても優雅にお座りすんの。

アメリはアメショだからアメリ。

アンリはサッカー元フランス代表で、すごくカッコよかった選手の名前を付けたの。(……)

たいてい私の枕の左側にはお尻を向けたアンリがいて、アメリはソファで寝てる。”

アンリとアメリ。二匹の猫と暮らすらかな幸せで満たされた暮らしは、ある日、彼氏の実家に帰るという宣言で破られた。怒涛のように降りかかる事件に打ちのめされる「私」を待ちうけていたのは……。

一人暮らしの女性と二匹の猫との暮らしは、一見穏やかで、実にリアル、そしてちょっとだけシュール。猫好きなら思わず顔がほころぶ幸せがたっぷり詰まっています。猫が教えてくれたこと。猫とは違うこと。猫ゴコロと女ゴコロ。とどまることなくわり続ける心模様をゆるゆると追った代表作『アンリアメリ』。

更に、老婆と片目猫との短く長い一冬を描いた『ウインクと老婆』に、街の小さな和菓子店の閉店の風景をく速度で綴った『和菓子の「浜や」』を加えた贅沢な短編小説集。

 

それぞれの主人公がそれぞれのリズムで語る3つの物語からは、匂い立つようにの風景が浮かび上がります。猫と一緒に過ごしている時間を思わせる柔らかな空をお楽しみください。

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