くうぅ染みるぜチクショウ…世界がキラキラ見えてくる恋愛小説まとめ by編集部

くうぅ染みるぜチクショウ…世界がキラキラ見えてくる恋愛小説まとめ by編集部

ここは編集部。

本好き・エンタメ好きな編集部員たちが次の出版に向けて、ケンケンガクガクと制作会議……のはずが、ついつい脱線して本にまつわるあんな事・こんな事をゆるゆると語り合っています。
今日はどんな話が飛び出すやら。会議室におじゃましてみましょう。

編集部のProfileはこちら

 


きのさん、目が、目が…変です。

 

 

 

 

頭ん中がガサガサザワザワ全然落ち着かんやったん♡

きのさん、言葉も変です。何となく聞き覚えがあるフレーズだけど…

あ、分かった!嶺里ボーの『TOPPOP』にやられたんですね。

 

 

 

 

ホントあんたは影響受けやすいわね。

 

ああ、私もあんな恋がしたいわぁ…

 

 

 

俺もあれにはぐっと来ましたよ。終わり方がまた染みますよね。
さらっとしてて切なくて。

 

そうよね。私も青春モノとか恋愛モノって得意じゃないけど、これには、はまったもの。
でも、私は主人公の流石よりイケメンのマツが好きよ。
よし、じゃあ今日はせっかくだから恋愛小説の話にするか。

 

 

 

お呼びですね。にこにこ。

ひ、ひいらさん!

(呼んでないけど…)

 

 

 

いや、ちょうど最近読み直した古典が2つとも素晴らしくてね。
1つ目は、日本の元祖恋愛小説とも言われるこれです。
ジブリ映画の「風立ちぬ」の元ネタにもなっているそうですね。

 

[堀 辰雄]の風立ちぬ
1938年発行の純愛小説の名盤。9歳で結核を発病した作者が、自ら病みつつ、より病状の重かった婚約者に付き添って信州のサナトリウムに入った数ヶ月の経験をふまえて書かれた。

 

不治の病と恋人に大自然…。少女マンガみたいなベタなストーリーですね。

 

 

 

そう思うでしょう?ところが、全然ベタつかないんです。この小説は。
風景と心理描写のバランスが絶妙で、映画を見ているような臨場感があるんです。

 

分かるわぁ。恋人たちの時間の感覚が、ビビッドに伝わってくるのよ。画家みたいよね、この人。

 

 

 

こっちは、イギリスの元祖ラブコメと言われる古典恋愛小説です。
イギリスらしいウィットがたまりませんよ。

 

[ジェイン・オースティン]の高慢と偏見(上) (ちくま文庫)

元気はつらつとした知性をもつエリザベス・ベネットは、大地主で美男子で頭脳抜群のダーシーと知り合うが、その高慢な態度に反感を抱き、やがて美貌の将校ウィッカムに惹かれ、ダーシーへの中傷を信じてしまう。ところが……。女性が自活できない時代の一大事・結婚に際してのドタバタを皮肉をまじえて描き切った、イギリスの誇る名著。

 

ああ、これは読んだことがあります。かなり読みやすいですよね。古典とは思えない。

 

 

 

1800年頃のイギリスの田舎町でさ、階級社会だから、みんな気位がやたら高いわけよ。
けど、その基準も、お家柄命・持参金命で、現代の感覚からするとずれてておかしいのよ。

 

怖いなあ…。
持参金がない女は結婚できないし、結婚できない女は、一生、一族のお荷物ってわけかぁ。
今でも笑いごとじゃないかも。。。

 

 

 

そんな価値観から生まれた「高慢」や「偏見」を吹っ飛ばすのが愛の力ってわけですから、
実は最高にドラマティックな恋愛小説なんですよね。

 

あ、チャットだわ。ちょっと待ってね。つないじゃうか。

#!@#$*-…Halo!編集長!

 

 

 

ハグミさん~~~!

Halo! きの、ハッサク。ひいらさんHalo! みんな元気そうさー。

 

 

 

あんた、今どこにいるのよ!その喋り方は沖縄か?…まあ、いいわ。
その前に、今ちょうど恋愛小説の編集会議してるんだけど、あんたのおすすめは?

んー、恋愛小説かあ。これとかどう?

 

[色川 武大]の離婚

「ことさら深刻ぶるのはよそうぜ」などとカッコいいせりふを吐いてぼくたち二人はおたがい納得して「離婚」したのです。ところがどこでどうなってしまったのでしょうか、ぼくはいつのまにか、「もと女房」のアパートに住みついてしまって……。男と女のふしぎな愛と倦怠の形を、味わい深い独特の筆致で描き出した第七十九回直木賞受賞作品。さらに表題作の続篇の形で書かれた「四人」「妻の嫁入り」、前篇ともいえる「少女たち」の三篇を併録。

 

あんた、恋愛小説って言われて、これ思いつくって相当よ。いいじゃない、広がるわ。

 

 

 

『麻雀放浪記』を書いた名ギャンブラー「阿佐田哲也」さんの本名名義の小説でしたよね。
実に味のある小説で、私も大好きです。

いい味出してるよねー。白黒付けられない夫婦の関係がいいのさー。

ここ10年くらいだと…これはどう?スピーディーで面白かったよ。

 

[舞城王太郎]の好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。

 

何というか、すごい表紙ですね。読みづらそう…。

 

 

 

そーかなー。
でも読みだすと止まんないよ。
この世まるごと、好き好き大好き愛してるって感じになるのさー。

これは、石原慎太郎もタイトルが気に入らないって理由で芥川賞受賞を阻んだって噂のね。
表紙とかタイトルとかにだまされちゃダメよ、これ。相当骨太でごつごつしてるから。

 

 

 

さすがハグミさんですね。守備範囲が広いなあ。

そお?普通だよー。
守備範囲が広いって言えば、ニシノ君でしょー。

 

[川上 弘美]のニシノユキヒコの恋と冒険(新潮文庫)

ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ……。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。

 

これ!読みましたよー。わーい♪ハグミさんとおそろいだー。

 

 

 

(おそろい??日本語適当すぎでしょ。)

ニシノ君かわいいよねー。Meの周りにもニシノ君いっぱいいるよー。

 

 

 

 

え!まじで!?かわいいっていうか悲しいヤツですよね。
でもちょっと会いたいかも。

あら、面白い。受け取り方が人によってバラバラなのは、小説通りじゃない。
ニシノは “がらんどう” なのよ。だから人によって関係性がいくらでも変わるわけよね。

 

 

 

男友達からするとどういうヤツなんだろう…。
モテ男の正体って、意外とこんなもんかもしれないですね。

その “がらんどう” と正反対の、ぎゅっと詰まった濃密な時間を味わえる恋愛小説なら、やはりよしもとばななさんを推したくなりますね。

 

[吉本ばなな]のハネムーン (中公文庫)

世界が私たちに恋をした。
死を身近に感じ、孤独を抱えて、むき出しの世界へ歩き始めた若い男の子と女の子。
淡々とひた向きに生きる2人が過去・現在・未来をつないでいく様が美しい待望の書下ろし長編。

 

私もこれ好きだなー。MAYA MAXXの絵もぴったしで。

 

 

 

タイトルも絶妙よね。ハネムーンは一生続いていくっていう。

はあ…。私のハネムーンはいつやって来るのよおぉ。。。

 

 

 

まあ、まあ。そんなきのさんに、元気が出る恋愛小説をおすすめしましょう。

 

 

[森見 登美彦]のペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。。

 

今の私に元気なんて無理…。あれ、でもこれ、森見登美彦?ずいぶん感じが違うね。

 

 

 

そうなんです。
今まで京都の大学生ばかりを描いてきた森見登美彦の新境地ですよ。

あ、出た!おっぱい星人アオヤマ君ー。

 

 

 

いいですよね、こいつ。
理屈っぽくて自信家で賢くて超アホ。

いけ好かないのに、かわいいのよね、アオヤマ。1匹飼いたいわあ。
最後は泣かされるし、森見登美彦さすがよね。

 

 

 

あ、電池切れ…@#&$*^….

(ブツッ…..)

あ、こら、ハグミ!お前どこにいるんだこのヤロ。にげやがったな。
あれ、締切明日…

(バタバタ…)

 

 

 

ハグミさん、おっぱい星人ってセリフを最後に消えて行くとは…
さすがっす。

ハグミさんの魅力はあちこちで多くの人と出会って育くまれたんでしょうね。にこにこ。

 

 

 

タイプは違うけど、TOPPOPの流石と一緒ですね。

よおし、私もハグミさんと流石を見習って一つの出会いも逃さないぞ!さあ、来い!

 

 

 

きのさん、目がまた変です。
ってか来いって何ですか…怖いっす。
いてて、叩かないでくださいよー

 

にこにこ。


『TOPPOP』では、アメリカのパンク・ロックバンドのラモーンズをこよなく愛する熱い男・流石が、まっすぐに不器用に恋をします。

ラブシーンはたった1回だけ。なのに、忘れられないほどのインパクトがあります。
恋ってなんだっけ!?って人も、恋に夢中な人も、ぜひ読んでみてください。
みなさんに素敵な恋と愛が訪れますように。

嶺里 ボーのKindle小説

■ TOPPOP

 

嶺里 ボー『 TOPPOP』

 

 

音楽はヒトを変えるチカラを持っていると信じる主人公・梅谷流石は、大学に通いながらバンド活動に明け暮れている。平和なはずの日常は、同居人のマツが学生中心の政治団体reVEALs(リビールス)を作ってから思わぬ方向へ展開し…→ 続きを読む

by編集部カテゴリの最新記事