日本人の日常は「ええじゃないか」に尽きるって!?「日常系」小説まとめ by編集部

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ケンケンガクガクと制作会議……のはずが、ついつい脱線して本にまつわるあんな事・こんな事をゆるゆると語り合っています。
今日はどんな話が飛び出すやら。会議室におじゃましてみましょう

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日常系小説が流行ってるらしいっすね。

 

 

へえ〜日常系。日常っぽい事が書いてある小説って事?あれ…ってかそしたらほとんどの小説は日常系じゃん!?

 

まあねえ。
一応、大きな出来事が起きない淡々とした日常を描いた小説のことらしいけど、まあ曖昧な括りよ。昔からあったけど最近ヒットする確率が増えたのは確かだと思うわ。
 
最近うちで出した嶺里ボーの『龍馬はん』も150年前の幕末の日常が見えて面白いわよね。あの『ええじゃないか』騒ぎは今っぽいわ。
で、ハッサクは何か読んだわけ?

 

 

ちょっと前に読んだ『ちいさこべえ』ってマンガはヤバイですね。面白いしかっこいい。

[山本周五郎, 望月ミネタロウ]のちいさこべえ(1) (ビッグコミックススペシャル)●あらすじ

火事で実家の工務店「大留」が焼け、両親をなくした若棟梁・茂次は、「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」という父・留造の言葉を胸に大留再建を誓う。そこに、身寄りのないお手伝いのりつ、行き場を失った福祉施設の子供達が転がり込んできて……ひげもじゃ若棟梁の崖っぷち人生劇場幕開き――山本周五郎の名作時代小説「ちいさこべ」を望月ワールド全開で新解釈する挑戦意欲作!

 

ああ、山本周五郎原作のマンガね。原作小説も良いわよ。これ。こんなの読んじゃうと自分の貧しさが透けて見えてたまんないわよ。
 

[山本周五郎]の赤ひげ診療譚●あらすじ
幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の“赤ひげ”とよばれる医長新出去定に呼び出され、医員見習い勤務を命ぜられる。貧しく蒙昧な最下層の男女の中に埋もれる現実への幻滅から、登は尽く赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく。傷ついた若き医生と師との魂のふれあいを描く快作。

 

 

 

 

へえ〜これ、映画化もされたんですね。

 

 

 

もっと遡れば夫婦善哉でしょ。アホな夫婦の日常がまあ沁みるのよ。あんたの好きな夫婦モノよ。

 

織田作之助『夫婦善哉』●あらすじ

大正から昭和初期にかけて、無頼派文学の代表的な作家として活躍した、織田作之助の代表作である短篇小説。逆境に負けない蝶子の精一杯な生き方と、だらしないが憎めない柳吉とが醸しだす、ほのかに明るく、ユーモラスな雰囲気を描いている。

 

 

 

 

 


うわ。1940年代ですか。この頃の夫婦って仲良かったんでしょうねーいいなああ

 

 

 

何言ってんのよ。そんなの人それぞれに決まってんじゃない。ねえ、ハッサク。

で、あんたのとこは最近どうなのよ。

 

どうって…まあ普通ですよ。

 

 

 

…ってなわけで語られて来なかった普通の日常をみんな知りたかったってわけよね。
その辺を語らせたらやっぱり女の方が上手よ。向田邦子のエッセイなんて小意地悪くて素敵よ。

 

 

 

向田邦子さんって石原さとみちゃんがヒロインやってたやつですか?何てタイトルだっけな〜ドラマ見ました!
確かに、日常系って感じがしっくり来ますよね、あれ。

 

 

 

 

 

何を見たんだか分からないけど…そうね。日常系って言えば向田邦子をイメージする人もいるでしょうよ。
サザエさんと並べて語る人も少なくないわよ。

 

じゃあ、これも日常系ですよね?

[村田沙耶香]のコンビニ人間 (文春e-book)

●あらすじ

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。

 

 

 

ああ、芥川賞取ったやつ。確かにこれはすごかった。潔癖症の友達の事思い出したなあ。

 
 
 
 
 
ですよね。何ていうか世界の狭さがすごいんだけど、俺も一人暮らしだったら、こんな感じかもってちょっと思った。
 
ホントよ。年々選択肢が減って世界が狭くなるわ。どこにあるのよ、あたしたちの自由ってやつは。
あーあ、視界をぐわっと広げてくれる坂本龍馬が欲しいわ。現代に必要な人材よ、あの人は。
こうも立ち行かないと人間、踊りたくもなるわ。
ええじゃないか、ええじゃないか、ええじゃないか……
 
 
 
 
 
風圧すごっ!ってか、キレッキレ。編集長、意外と機敏だよ。
あれ、どこ行くんですか編集長〜会議は〜〜〜?!
 
そういえばKindleにはまだなってないけど、俺の敬愛する森見登美彦の太陽の塔にも『ええじゃないか』が出てくるっけ 。
あれもまあ、日常系だよな。
 
んじゃ。俺、メシ行ってきます。
 

森見登美彦『太陽の塔』●あらすじ

私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。

 

坂本龍馬周りの日常をまるっと体感できる、嶺里ボーの新しい日常系小説『龍馬はん』。
 150年前のリアルな日常を見に来てね。詳しくはこちら。

 

嶺里ボーのKindle小説「龍馬はん」

嶺里 ボー『 龍馬はん』 

 

 

慶応3年11月15日(1867年12月10日)、近江屋で坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された当日、真っ先に斬り殺された元力士・藤吉。

その藤吉の眼を通して映し出された、天衣無縫で威風堂々とした坂本龍馬を中心に、新撰組副隊長・土方歳三の苦悩と抵抗、「龍馬を斬った男」と言われる佐々木只三郎、今井治郎の武士としての気概など、幕末の志士達の巡り合わせが織り成す、生命力溢れる物語は、現実……。→ 続きを読む

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